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3.4.3 ひずみの分布
中央パネルのひずみの分布を図3−8及び3−9に示す。面図とも左図(a)は水圧が0.3MPa時で、右図(blが0.7MPa時の計測結果である。図3−8はパネル幅の中央線上におけるX方向のひずみ(付図のゲージ番号?,?,?)を表し、図3−9はパネル長辺の中央におけるY方向のひずみ(付図のゲージ番号?,?,?,?,?)を表している。
図3−8のパネル長手方向のひずみの場合は、プレリブ材及び溶接組立材のひずみは、パイセクション材のそれに比べて大きい。これは、試験体パネルの板厚が一様である溶接組立材及びプレリブ材と、板厚が変化しているパイセクション材との剛性の差によるものであると考えられる。
図3−9でパネル中央に現れる引っ張りひずみの領域は、プレリブ材及び溶接組立材の方がパイセクションより広く、防撓材近傍に現れる圧縮ひずみが大きくなる。これらのひずみ分布からブレリブ材及び溶接組立材は、リブを溶接で取り付けているためリブ材付け根の近傍の応力集中及びリブ取り付け時の溶接熱による影響でひずみが大きくなり、パイセクションでは、テーパにより応力集中が緩和されていること及び溶接による熱影響がないためにひずみは比較的小さい。また、パイセクションに比べてプレリブ材及び溶接組立材のひずみが各位置で大きいが、プレリブ材はパネル中央でのひずみは小さい。

 

3.4.4 防撓材の横倒れ
防撓材の縦曲げ及び横倒れについて検討するために、リブ材に貼ったゲージのひずみを整理した。これを図3−10(a)及び(b)に示す。
(a)図は、防撓材頂部(ゲージ番号?)と付け根部(?)のひずみから求めた防撓材の縦曲げひずみと水圧の関係を示す。各試験体の防撓材の縦曲げひずみは、約0.6MPaまで、ほぼ水圧に比例する。パイセクションは各試験体の中で、降伏現象がもっとも早く現れた。この原因としては、防撓材付け根のテーパーによって応力集中が緩和され、パネルが長手方向に台形状に変形するために水圧が作用する面積が広くなり、結果としてパネルに作用する荷重が大きくなるためと考えられる。
防撓材の横倒れをリブ材のバルブの左右の側面に貼ったひずみゲージ(ゲージ番号?,?)から求めた曲げひずみで表し、これと水圧との関係を図3−10(b)に示す。パイセクションは(a)図と同様に水圧が0.6MPaを越えると横倒れが大きくなる。他の試験体は、ほぼ水圧に比例して、パイセクション材ほど大きな横倒れはない。これは防撓材付け根部がテーパーしているパイセクションは試験体全体が棲むのに対して。板厚が一様なプレリブ材及び溶接組立材では防撓材間のパネルが局部的に大きく変形するためである。

 

 

 

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